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マルチフィジックス解析ソフトウェア「Ansys 2021 R1」日本語版販売開始のお知らせ

2021年2月24日

機能安全解析で、車載ECUなどの故障率の高い事象が一目で把握可能に!自動運転、電動化の信頼性向上、金属3Dプリンターの造形品質を向上する機能を強化し、複雑化する設計課題の解決を支援します。

サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、ANSYS, Inc.(本社:米国ペンシルベニア州、以下「Ansys」)が開発・販売・サポートするマルチフィジックス解析ソフトウェア「Ansys®(アンシス)(以下、Ansysソフトウェア)」の最新バージョン、2021 R1 日本語版(以下「Ansys 2021 R1」)の販売および技術サポートを開始することをお知らせします。

Ansysソフトウェアは、構造・熱流体・電磁界・回路・システムなどのさまざまな物理現象やそれらを組み合わせた連成問題を目的に合わせて柔軟にシミュレーションすることができる、マルチフィジックス解析ソフトウェアです。

主なバージョンアップ項目

システム解析

■機能安全に有効なフォルトツリー解析(FTA)※1のヒートマップ表示により、故障率の高い事象を可視化

自動車などに搭載されるECUをはじめとした高い安全性を要求される製品の開発において、ISO 26262などの機能安全規格に準拠するためには、故障や事故の発生要因機能障害を特定するフォルトツリー解析が効果的です。自動車の機能安全解析ツールAnsys medini® analyzeでは、定性的/定量的なフォルトツリー解析が利用可能です。

今回のバージョンよりヒートマップ表示機能が追加され、故障率の高い事象を一目で特定できるようになりました。これにより、品質、安全性の分析と管理を効率よく行い、ハザードのリスクを許容可能なレベルまで低減することができます。


フォルトツリー解析におけるヒートマップ
(故障率の高い部分を赤で表示)

■ 1D※2シミュレーション用に縮退したモデルの妥当性を、3Dモデルですばやく確認


Dynamic ROM Builderによる
3Dモデルビュー

近年、シミュレーションの計算時間を短縮する方法の一つとして1Dシミュレーションが活用されています。Ansys® Twin Builder™のDynamic ROM Builderを使うことにより、既存の3D解析結果データを、数式モデルなどを準備することなく簡単に1Dモデルへと縮退化※3、1Dシミュレーションを迅速に実行することが可能です。

今回のバージョンより、1Dモデルへ縮退化する際に、適切に縮退できたかどうかを3Dモデルでプレビューできるようになりました。温度変化をはじめとした現象を3Dモデルとして可視化できるため、数式に慣れていない人でも妥当性をすばやく確認可能です。

構造解析

■金属3Dプリンターに入力するレーザー出力・速度などの組合せから結晶情報が予測可能となり、造形品質の向上に貢献


結晶粒の方位
(左:微細構造解析結果 右:ESBDによる測定結果)

金属3Dプリンターは、金属粉材料にレーザーを照射しながら溶融・凝固を繰り返すことでパーツを造形しますが、レーザーの出力や速度の違いにより結晶粒の形状が変わり、造形品質に影響を及ぼす場合があります。

金属3Dプリンター用シミュレーションツールAnsys® Additive Science™では、今回のバージョンより微細構造解析が可能になり、EBSD(電子線後方散乱回折法)※4によって得られるような、結晶粒の大きさや方位なども予測できるようになりました。

複数のレーザー出力・速度の組み合わせをまとめて入力し、算出された結晶情報を確認することで、目的の形状を造形するために最適な条件を探索可能です。

熱流体解析

■自由界面モデル(VOF)※5と粒子追跡モデル(DPM)※6の相互連成により、噴射のシミュレーションにかかる計算時間を大幅に短縮


VOFとDPMの連成

塗装工程で用いられるスプレーのように、噴射により霧状から液膜になる現象を解析する場合、従来はVOFのみを利用して解析していましたが、微細なメッシュが必要になるため計算時間が膨大になっていました。

今回のバージョンより、VOFとDPMを相互に連成させることが可能となりました。大きな液滴はVOF、微小な液滴はDPMへと計算中に変化させていくことで、高速かつ効率的に解析を実行できます。

電磁界解析

■HFSS™ Fusion Meshの追加により、複雑なアセンブリモデルの電磁界解析が可能に(ベータ機能)

Ansys® HFSS™ Fusion Meshが新たに追加され、各モデルのパーツごとに最適なメッシュを適用することが可能になりました。これにより、従来では解けなかった大小様々なアセンブリで構成された複雑なモデルの電磁界解析を実行できるようになります。


HFSS Fusion Meshのドローンモデルへの適用例

3D設計(リアルタイムシミュレーションAnsys® Discovery™)

Ansys Discoveryは、3D CADモデルを編集しながらリアルタイムにシミュレーション結果が得られる、全く新しい対話型シミュレーションソフトウェアです。モデルの形状と性能を同時に評価できるため、早期に設計課題を抽出し、解決策を探求することができます。スピードを重視した「EXPLOREステージ」と、解析精度を優先させた「REFINEステージ」が用意されており、目的に合わせて切り替え可能です。

今回のバージョンアップでは以下の点が改善されました。

■EXPLOREステージ:形状の再現性が向上し、内部流体解析の精度が大幅に改善

内部流体領域の離散化技術の強化で複雑な曲面を持つモデル形状の再現性が向上し、解析スピードを維持したまま解析精度が大幅に改善されました。


エンジンウォータージャケットの適用例

■REFINEステージ:流体−固体熱間の熱移動のシミュレーションにより、熱交換器などの熱変化をより詳細に予測可能に

流体―固体間の熱移動のシミュレーションが可能になりました。外周や内部の流体の影響を考慮できるため、マニフォールドやウォータージャケット、熱交換機等の熱変化をより詳細に予測できます。

プラットフォーム

■Ansys® MinervaとAnsys® GRANTA MIの連携により、材料変更が製品に与える影響を検証可能に


Ansys Minervaにおける
材料データのインポート画面

シミュレーションプロセスおよびデータ管理プラットフォーム Ansys® Minervaと、材料データ管理プラットフォームAnsys® GRANTA MIの連携が実現しました。これにより、解析結果とその時に利用した材料特性のトレーサビリティを保持できます。材料変更を検討する際、その変更が製品にどのような影響を与えるかを、過去の解析ケースと比較して検討することができます。



■バッテリーデザインツール機能により、性能、コスト、環境を考慮したバッテリーの材料選定が容易に


バッテリーデザインツールの画面

材料選択・分析ツールAnsys® GRANTA Selectorにバッテリーデザインツールが追加され、バッテリーモジュール/パックの材料性能の比較検討が容易に実施できるようになりました。バッテリーの設計初期段階から性能、コスト、環境を考慮した最適な材料候補を特定可能です。

さらに材料情報もアップデートされており、JAHM カーブデータ※7には5000種類以上の新しい材料データ、Material Universe™※8には120種類以上のバッテリーセルのデータが追加されています。


■Ansys® Cloud 上の解析がさらに効率化


自動車レーダーの
電磁界解析における適用例

クラウドソリューションAnsys Cloudを使って電磁界解析やシステム解析を行う際、メッシュ作成とソルバー実行それぞれに対して、異なるハードウェア構成(Small / Medium / Large)の割り当てが可能になりました。ハードウェアをより効率的に利用することができるため、コストの削減につながります。

自動車レーダーの例(右図)では、解析プロセスを2つのステップに分割しハードウェアを使い分けることにより、AEC(Ansys Elastic Currency)※9使用量を約38%削減できました。



Ansysソフトウェアの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/ansys/

注釈
※1: フォルトツリー解析:FTA解析(Fault Tree Analysis)としても知られる、自動車などの故障、事故の分析手法。故障や事故といった発生を防ぐ必要がある事象について、発生経路、発生原因、発生確率をフォルトツリー(故障や事故などの発生を防がなくてはならない事象を起点として、その要因の因果関係をツリー状にして表現したもの)を用いて解析する。
※2: 1D:システムシミュレーションを用いた設計の上流段階から適用可能な設計支援の手法、概念。形状や構造をベースに設計を行う従来の3D CAE/CADに対し、設計情報がまだ明確でない段階から対象製品全体のシステムを機能ベースで可視化することにより、上流段階での全体最適が可能となる。システム全体を俯瞰し、把握できるため、問題点の早期発見が可能となり、品質向上とイノベーションの創造が期待される。
※3: 縮退化:大量の演算を必要とする3Dモデルを、特定の動作条件における3D詳細モデルを近似した小型のモデルへと変換する一連の手法。
※4: EBSD(電子線後方散乱回折法):走査電子顕微鏡を用い、試料表面で生じる電子線後方散乱回析を解析することで金属などの結晶性材料の結晶方位・粒径・歪み分布などに関する情報を取得する手法。
※5: 自由界面モデル(VOF:Volume-of-Fluid):気体と液体の混相流解析のうち自由表面流れの解析手法で用いられるモデル。
※6: 粒子追跡モデル(DPM:Discrete Phase Model):微小な液滴を粒子として扱う解析手法で用いられるモデル。
※7: JAHMカーブデータ:9,000を超える材料の温度依存曲線データを含む、豊富なCAE用入力ソース。
※8:Material Universe:Ansys社独自のコアとなる材料データベース。4,000を超えるエンジニアリング材料を集約。
※9:AEC(Ansys Elastic Currency):Ansys Cloudを利用する際に必要となる従量制のライセンス名。

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT資産管理ツールやIT運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/

本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社

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報道の方は

コーポレートマーケティング部/宮崎
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IR室/目黒
E-MAIL:irquery@cybernet.co.jp

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