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自動車照明設計ソフトウェア「LucidShape CAA V5 Based」最新バージョン2020.06販売開始のお知らせ

“光の拡がりから形状を導く”アルゴリズムや、路面描画ランプ※1の設計を容易にする「自由曲面設計」の追加で、CATIA V5上で光学設計フローの全工程をサポート!手戻りのない自動車照明開発に貢献します。

2020年06月24日

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サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、主要取引先であるSynopsys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「シノプシス社」)が開発し、サイバネットが販売・サポートする自動車用照明設計ソフトウェア「LucidShape(ルーシドシェイプ)CAA V5 Based」の最新バージョン「LucidShape CAA V5 Based Version 2020.06」の提供を2020年6月24日から開始することをお知らせいたします。

LucidShape CAA V5 Basedは、ヘッドランプ、テールランプ、デイタイム・ランニング・ランプをはじめとする自動車用のあらゆる照明器具の設計、解析、見栄え評価をCATIA V5環境下で実行できるソフトウェアです。ソフトウェア間のモデル転送の必要が無く、設計した形状をシームレスに解析可能です。また、GPU※2を用いた光線追跡機能を備えており、NVIDIA社製のGPUを利用した高速なシミュレーションが可能です。

LucidShape CAA V5 Based Version 2020.06で追加された機能

光学設計フローの初期から照明性能を精度高く予測!光学面設計機能の追加

今回追加された光学面設計の機能は、“光の拡がりから形状を導く”アルゴリズムを搭載していることが大きな特長で、自動車照明開発に不可欠な照明性能である「光の拡がり」を直接入力することが可能です。試行錯誤にかかる時間を大幅に短縮できるだけでなく、設計の初期段階から光学系の実現可能性を精度高く検証できるため手戻りを防ぎ、自動車の開発期間全体の短縮を支援します。

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光学部品を光学面設計機能で設計した例。自動車業界で利用頻度の高い上記の部品を高速に設計可能。

また、光学面設計の機能に含まれる「自由曲面設計」機能は、任意の分布を段差のない滑らかな曲面で実現できます。記号や文字のような高精細なパターンでもリフレクタ1枚で照射できることが最大の特長であり、安全性を高める効果が期待される路面描画ランプの設計も容易に実現します。

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「自由曲面設計機能」で高精細な照射するリフレクタを設計した例

物理現象を正確に反映した製品見栄えを高速評価!製品見栄え評価機能の追加

自動車照明は、自動車の見た目の印象に強く寄与するデザイン部品としても重要な役割を果たします。今回追加された製品見栄え評価の機能を用いると、太陽光の映り込みや透けて見える内部構造など、照明器具のリアルな見栄えを高速に描画させます。部品と光源の間での全ての光の相互作用を反映するため、光のふるまいを物理的に正しく再現した画像が短時間で生成でき、評価にかかる時間を大幅に短縮します。

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ランプの見栄えのシミュレーション結果確認画面

モデルのセットアップや公差解析を円滑に!「設計テーブル」との連動

本バージョンから、形状パラメータや配置座標などを管理するためのCATIA V5 の機能「設計テーブル」との連動がサポートされるようになります。「設計テーブル」を使用すると、これまで全て個別のファイルとして保存する必要があった形状パラメータや配置座標などの異なるモデルを組み合わせの情報と共に管理できるようになり、容量の圧迫や管理の煩雑になるといった課題を解決できます。また、格納された組み合わせ情報については連続解析が可能であり、公差解析の円滑化も支援することで設計にかかる工数の短縮も期待されます。

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5 通りの光源の幅、高さ、光束の組み合わせを格納している設計テーブルの例。
ファイルを開き直すことなくモデルへ反映、連続解析が可能。

その他の機能強化

  • ライトガイド※3自動設計機能の強化
    フィレット※4付与機能が強化され、フィレットを付与したい箇所の素早く指定や、大きなR のフィレットを付与する際の形状構築エラーの回避が可能となりました。これにより、製造時の制約をより厳密に反映した設計が可能となり、手戻りの減少を支援します。
  • BSDF※5ファイル読み込み機能の追加
    簡易散乱測定器「MiniDiff」や高精度散乱測定器「REFLET」で出力されたBSDF ファイルを直接読み取ることができるようになりました。これにより、実物と差異のないシミュレーション環境をより円滑に構築可能となりました。

シノプシス社Optical Solutions Group ディレクターStuart David 氏のコメント

自動車の外装照明は、自動車の安全性、スタイリング、ブランド化において重要な要素です。新しい設計機能およびビジュアライズ機能を使用すると、CATIA V5 ユーザーは、カーメーカーのスタイリング制約およびブランドガイドラインの範囲内で、厳格な安全規則を満たす照明を設計できます。これらの新しい機能は、設計者に強力なジオメトリ作成と正確で信頼性の高い製品見栄え解析を提供します。これらはCATIA V5 環境内にシームレスに統合されており、開発フローの最初から適切な設計を行うことができます。

LucidShape の詳細については、下記Web サイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/lucidshape/

注釈
※1: 路面描画ランプ:自動車のランプとセンサーを用いて車道の路面上に記号や数字を投影する技術。例えば、前方の標識が見えにくい夜間走行時に制限速度を表示したり、雪で埋もれた車線への注意喚起や道を譲るサインを描写したりすることもでき、運転者・歩行者・他の車両のコミュニケーションに利用することで安全性を高める効果が期待され、国内外の多くの完成車/部品メーカーが実用化を目指している。
※2: GPU:Graphics Processing Unit の略で、3D グラフィックスの表示に必要な計算処理を行う半導体チップ。最終的なレンダリング処理のみならず、レンダリングの前処理にあたる3D 座標から2D 座標への座標変換なども担当し、CPU の処理量を減らすことができる。
※3: ライトガイド:「ライトパイプ」とも呼ばれ、細長いパイプ状の透明樹脂の端面からLED などの光を入射し、側面全体を光らせる光学デバイス。デザインされた外形に沿って3 次元的に曲げて利用でき、対象物の均一な照明や見栄えが良いため、近年、ヘッドランプやテールランプなどの車載照明、オーディオや冷蔵庫やエアコンなどの家庭用電化製品の装飾用照明などにおいて利用されている。
※4: フィレット:面と面の境界である角部を丸めること。
※5: BSDF(Bidirectional Scatter distribution function:双方向散乱分布関数):透過(BTDF)および反射(BRDF)を合わせた媒質表面の散乱特性を表すもの。入射した方向によって光の伝播するエネルギー分布は異なるが、この散乱特性を定量的にまとめることで、任意の方向から入射した光の輝度分布を求めることができ、散乱を含む光学系の設計に役立つ。

シノプシス社について

Synopsys, Inc.(Nasdaq 上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供しています。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15 位のソフトウェア・カンパニーとなっています。
シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供しています。
シノプシス社に関する詳しい情報については、下記Web サイトをご覧ください。
https://www.synopsys.com/ja-jp

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、CAE のリーディングカンパニーとして、30 年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT 分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT 資産管理ツールやIT 運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI 領域で、当社の得意とするCAE やAR/VR 技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
ブランドメッセージは「つくる情熱を、支える情熱」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様に、「まずはサイバネットに聞いてみよう」と思っていただける企業を目指しています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/

本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社

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