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MBSE※1の活用を促進させる新製品、設計空間探索ツール「MapleDOE」販売開始のお知らせ

機械学習によるシミュレーション結果のフィッティングなどにより、大規模化/複雑化するシステム開発の設計検討を効率化させる新ツール登場!

2020年04月07日

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サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、グループ会社であるサイバネットMBSE株式会社(本社:東京都、代表取締役:荒木 克文、以下「サイバネットMBSE」)が開発した新製品「設計空間探索ツール「MapleDOE」(メイプル・ディーオーイー)」を、2020年4月7日から販売開始することをお知らせいたします。

設計空間探索ツール「MapleDOE」とは

MBSE開発手法は、大規模化/複雑化するシステム開発の効率化に欠かせない開発手法として、自動車業界を始めとする様々な業種の設計現場ですでに取り入れられていますが、設計対象のシステムが複雑化するにつれ、要求項目と関係する設計変数の数は膨大になり、複雑なトレードオフの調停が必要になります。

MapleDOEは、以下のような特長で、要求項目を満たすための最適な設計変数の組み合わせ探索を高効率で行なうことを可能とし、工数削減と品質向上に貢献します。

感度解析※2用のモデル(応答曲面※3)作成を自動化することで、飛躍的に効率化!

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応答曲面イメージ

膨大な設計変数の最適な組み合わせを効率よく見出すために多く実施されているのが、応答曲面の作成です。MapleDOEは、応答曲面作成前に実験計画法(DOE)※4によるサンプリングを行ってからシミュレーションを多数回実行し、得られた結果に対して機械学習によるフィッティングを行います。適応型の実験計画法(Adaptive DOE)を利用し、設計対象システムの複雑性に対応するようサンプリング点を自動調整できることも大きな強みで、応答曲面の作成時間低減と予測性能向上を同時に実現します。

また、最適化ツールModelCenter®※5やMATLAB®/Simulink®※6との連携が可能なため、既存のシミュレーション資産をそのまま流用できます。

MapleDOEは、上記の一連の流れを自動化することで、従来非常に多くの工数が必要だった高品質な応答曲面の作成業務を飛躍的に効率化させることを可能とします。シミュレーションとの連携だけではなく、実験データや既に計算済みのシミュレーション結果を取り込んで応答曲面を作成することもできるため、幅広い用途に利用できます。

数式による応答曲面モデルの可視化と、Microsoft® Excel®形式での感度表作成を実現!

MapleDOEでは、作成した応答曲面を、内蔵のSTEMコンピューティング・プラットフォーム「Maple」※7を使って数式化することができ、様々な二次利用が可能です。また、Mapleの数式処理エンジンを内蔵した感度表をMicrosoft Excel形式で出力することができるため、設計変数値を変更させると要求項目の値がダイナミックに変化する感度付きDMM※8の作成が可能です。これによって応答曲面が可視化され、シミュレーションにかかるコストや専門知識なしで、インタラクティブなパラメータスタディやトレードオフ検討を容易に実施できる環境を実現します。

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MapleDOE概念図

MapleDOEを含むサイバネットMBSEソリューションの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/ps/requirement/#03

製品開発の統合化支援ツール「iQUAVIS※9」との連携について

MapleDOEは、株式会社電通国際情報サービス(以下ISID)が独自に開発したiQUAVIS(アイクアビス)との連携を進めてまいります。

iQUAVISの詳細については、ISIDのWebサイトをご覧ください。
https://www.isid-industry.jp/product_and_service/detail/Product_Development/iquavis

開発会社「サイバネットMBSE」について

サイバネットは、昨今需要の高まっているMBSE事業の拡大を目指し、モデルベース開発に関する受託解析・コンサルティング等のエンジニアリングサービスの提供やソフトウェア開発に特化した子会社サイバネットMBSEを2020年1月に設立しました。MBSE手法は、機械、エレキ、制御・ソフト等のマルチドメイン(複合領域)をまたぐ設計において真価を発揮します。長年マルチドメインソリューションを様々な業界に提供し続けてきたサイバネットの技術ノウハウをサイバネットMBSEに結集させ、製造業におけるMBSE手法を活用した開発プロセス改革・業務改革の取組みを支援します。

サイバネットMBSE株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernetmbse.co.jp/

注釈
※1:MBSE:Model-Based Systems Engineering(モデルベースシステムズエンジニアリング):機械、エレキ、制御・ソフト等の複数の領域にまたがって、要求分析、システム設計、検証までの開発工程全般を、モデルをベースに効率的に進める開発手法。
※2:感度解析:目標値に対する設計変数の影響度を調べるための解析。
※3:応答曲面:実験計画法により得られた離散的なデータを連続的な曲面へ近似する方法を応答曲面法と呼び、作成された近似式を応答曲面と呼ぶ。
※4:実験計画法(Design of experiments):設計空間全体の特徴をなるべく少ない計算回数で調べるための手法。最適化解析の前段階として、各設計変数の影響度を確認したり、応答曲面を作成したりするために利用されることが多い。略してDOE(ディーオーイー)と呼ばれる。
※5:ModelCenter:米Phoenix Integration社によって開発されたモデルベースエンジニアリングのためのフレームワークを提供するソフトウェア。複数のシミュレーションツールを組み合わせたワークフローの作成と自動化が可能。
※6:MATLAB/Simulink:米MathWorks社によって開発された数値計算・データ解析・シミュレーションのためのソフトウェア。自動車、航空宇宙、通信、エレクトロニクス、産業オートメーションなどのさまざまな業界で研究開発用の基本ツールとして使用されている。
※7:STEMコンピューティング・プラットフォーム「Maple」:サイバネットグループの一員であるメイプルソフト社(本社:カナダ)が開発した数式処理システムであり、MapleDOEの開発には同社の数式処理技術、開発経験等が活用されている。
※8:DMM:Domain Mapping Matrixの略称で、要求項目と設計変数といった異なるドメインのパラメータを二元表で表現したもの。
※9:iQUAVIS:電通国際情報サービス株式会社によって開発された、製品システムモデリング、品質とリスク管理、プロジェクト管理のための、統合化された製品開発の支援ツール。「開発の見える化」を実現するための様々な手法を実践することを可能にする。

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT資産管理ツールやIT運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
ブランドメッセージは「つくる情熱を、支える情熱」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様に、「まずはサイバネットに聞いてみよう」と思っていただける企業を目指しています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/

本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社

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