CYBERNET

照明設計解析ソフトウェア「LightTools」最新バージョン8.7 販売開始のお知らせ

カメラ利用者を悩ます迷光※1への対策を大幅に強化!
光学面を定義する新しい散乱機能やグレア※2対策機能も加わり、光学シミュレーション精度を更に向上させます。

2019年03月18日

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サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、Synopsys, Inc.(本社:米国 カリフォルニア州、以下「Synopsys社」)が開発し、サイバネットシステムが販売・サポートする照明設計解析ソフトウェア「LightTools(ライトツールズ)」の最新バージョン「LightTools 8.7」の販売を開始したことをお知らせします。

LightToolsは、LED照明や液晶ディスプレイ用バックライト、LiDAR※3を含む赤外線を用いたセンサー光学系、プロジェクター、自動車の室内照明やデイタイム・ランニング・ランプなどいわゆる照明光学系※4の設計・解析を行うソフトウェアです。試作前の設計支援、試作後の詳細解析、実機との比較検証など、幅広い用途で利用され、高い精度が要求される光学製品の設計コストや納期の短縮を実現します。

LightTools 8.7では、迷光解析の機能やシミュレーション精度に影響する光学特性が大きく改良されました。さらに、人が感じるグレアの影響をシミュレーションできる「Human eye」機能の追加の他、自由曲面設計機能やユーザビリティが改良されています。

LightTools 8.7で追加された主な機能

影響度の高い迷光に一発でアクセス:レイパス機能※5の強化

迷光解析で良く利用されているレイパス機能に、迷光を照度値で影響度順にソートする機能が追加されました。この機能により、これまで光路を一つ一つ選択して確認していた迷光の影響度合いを数クリックで表示できるようになりました。迷光の原因となる光を特定する時間を大幅に短縮でき、効率的な原因確認と修正が可能になります。

レイパス機能でシミュレーションした迷光の照射分布と光路20190318-1

表面粗さの定義が容易に:新しい散乱機能の追加

研磨された光学面や粗面をより簡単且つ正確にシミュレーションするために、以下の散乱機能が追加されました。

Harvey-Shack※6散乱およびABg※7散乱

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Harvey-Shack散乱の散乱分布

今まで理論的な表現が難しかった、研磨された光学面における光の散乱を、パラメータとして定義できるようになりました。

マイクロファセット(微細表面)散乱

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マイクロファセット散乱による
表面の傾斜分布

粗面における凹凸の傾斜を、数値として定義できようになりました。

コンタミネーション散乱

埃や塵などの微粒子の影響をモデル化できるようになりました。
これらの光学的な特性の充実によって多様な設定が容易になり、より精度の高いシミュレーションによって光学製品の品質向上に大きく寄与します。

グレアの影響を予測可能に:「Human eye」機能

輝度評価のオプションとして「Human eye」機能が追加されました。グレアが発生するかどうかの確認やグレアによる視認性の低下などを試作前にシミュレーションし、予測することが可能になりました。

「Human eye」機能を利用した、自動車フロントガラスのヘッド・アップ・ディスプレイのシミュレーション
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グレア効果なし
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グレア効果あり

2次光学系を考慮した設計:自由曲面設計機能の強化

自由曲面設計機能に2次光学系を考慮したディストーション(歪み)補正機能が追加されました。これにより設計した自由曲面を隠すためのカバーレンズなどが配置できるようになり、光学製品の意匠性や機密性を向上できます。その他に自由曲面設計機能には以下の機能追加が行われています。

  • 入射面(光源)側の自由曲面設計
  • 自由曲面のフレネル損失分布
2次光学系を考慮したディストーション補正
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補正前
20190318-7
補正後

LightTools 8.7では上記の他にも以下の機能を代表とした様々な追加が行われています。

  • シミュレーションの光線本数の増加
  • シミュレーション光線をワイヤーフレームとしてCADへ出力
  • 任意の座標系に対して部品の移動、回転が可能

LightTools 8.7の詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/lighttools/product/release/v87.html

注釈
※1:迷光:光学機器の鏡筒の内面やレンズの縁などで発生する、設定した波長以外の不必要な光のこと。
例えばカメラでは、レンズ後方からの光が反射して白く映り込むフレア現象や光が不要に反射して生まれるゴースト現象を生じさせ、意図通りの撮影を妨げる原因となる。
※2:グレア:不快感や物の見えづらさを生じるような眩しさ。
※3:LiDAR:「Light Detection and Ranging」の略で、光検出と測距を表す。
※4:照明光学系:反射や屈折といった光線の性質を利用して、対象物を照らす器具や装置の総称。
※5:レイパス機能:レイパスとは、光源から出射した光線が辿る順路のことであり、レイパス機能は異なるパスを通る光線を自動的に識別する機能のこと。望まない光線(ゴースト光、迷光、フレア等の原因となる光線)が発生する原因箇所を効率良く見つけ出すことを目的とする。
※6:Harvey-Shack:研磨された光学面をb,Mのパラメータを用いて表現する表面散乱理論。
※7:ABg:研磨された光学面をA,B,gのパラメータを用いて表現する表面散乱理論。

シノプシス社について

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供しています。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっています。
シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供しています。
シノプシス社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.synopsys.com/ja-jp

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。また、企業が所有するPC/スマートデバイス管理の効率化を実現するIT資産管理ツールをはじめ、個人情報や機密情報などの漏洩・不正アクセスを防止し、企業のセキュリティレベルを向上させるITソリューションをパッケージやサイバネットクラウドで提供しております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/

※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。

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