2010年10月15日 |
超弾性解析機能を追加。タイヤや免震ゴムなどといった材料設計をMultiscale.simで強力にサポート。 |
サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、マルチスケールCAEツール「Multiscale.Sim(マルチスケールドットシム)」の最新バージョン2.2の販売を2010年10月15日(金)より開始することをお知らせいたします。
Multiscale.Simは、解析対象物のミクロ構造とマクロ構造との連携解析を可能にするマルチスケール解析ソリューションとして、東北大学・大学院工学研究科の寺田賢二郎准教授の協力のもと、サイバネットと日東紡績株式会社、株式会社くいんとの3社で共同開発した均質化法(※1)を用いた解析ツールです。複数の物理現象を統合的に解析するマルチフィジックス解析を得意とするANSYS(※2)をベースとしたカスタマイズ製品として開発しました。
繊維など複合材料の素材開発では、マルチスケール解析を用いて材料の等価物性値を算出します。そして、この物性値を元に商品全体の特性を予測できるため、材料設計の効率化を図ることができます。結果として、材料試験の工数や開発コストの低減効果が期待されます。
バージョン2.2では、従来のバージョンでは数値材料試験のみが実行可能であった超弾性材料に関して、新たに異方性超弾性材料モデルの同定機能が加わりました。超弾性とは、引張り方向には柔らかく、圧縮方向には硬くなる性質などを持っている材料です。超弾性材料への対応により、ゴムのような材料設計を強力にサポートでき、解析・試験の対象となる幅が更に広がります。これにより、タイヤや構造物に使用されている免震ゴムなどの分野の解析が可能となりました。
材料設計には材料試験が必須ですが、ゴムのような超弾性材料は他の材料と比較して、材料試験に技術的なノウハウが必要です。しかしながら、Multiscale.Simを使用すればそれを容易に実現できます。また、繊維で強化された複合材料は大抵、方向によって特性が異なる「異方性」を持ちます。Multiscale.Simの異方性材料モデルの同定機能を利用することで、数値材料試験のデータを元にワンクリックで材料物性値が同定できます。
Multiscale.Simは、材料試験データの取得から物性値の同定、解析まで、一連の解析プロセスで実現します。特に、異方性超弾性に対応した機能は、本製品独自であり、解析できる対象が広がります。
バージョン2.2では、均質化・局所化の超弾性に対応しました。この対応により以下のような解析事例の解析が可能となります。
販売価格について
販売価格に関しては、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
以下の機能を現在開発中です。これらはバージョンアップの際に無償で提供する予定です。
MultiScale.Simの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/ansys/multiscale/
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスの提供を行っております。
電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。構造解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのCAEソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
また、ビジネスプロセスの効率化を実現する各種ソフトウェアの提供や、個人情報や秘密情報などの漏洩・不正アクセス対策、データのアーカイブと保護、認証強化などでクライアントPC・サーバーのセキュリティレベルを向上させるITソリューションの提供をしております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
※CAE(Computer Aided Engineering):「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献する。
本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社
製品および本リリースの内容について
報道の方は