2008年06月05日 |
サイバネットシステム株式会社(東証第一部、本社:東京都、資本金:9億9500万円、代表取締役社長:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、DAFCA, Inc. (本社:米国マサチューセッツ州フラミンガム、CEO:ピーター・レビン、以下「ダフカ社」)と日本における販売総代理店契約を締結し、ダフカ社が開発した「ClearBlue(クリアブルー)」製品ラインの販売を本日より開始することをお知らせします。
ClearBlue製品ラインは、SoC(注1)を代表とするLSIのファウンドリによる製造後の実チップでのデバッグ機能を含めた、ポスト・シリコン・バリデーションを提供するソリューションです。これまで、プリ・シリコンにおける設計検証ソリューションは、各ベンダから提供されており、これらの設計検証ソリューションにより、チップ製造前での検証効率向上が図られています。しかし、それでもファースト・シリコンの実チップでは、設計あるいは製造時の問題を完全には排除できておらず、基板に実装した際に正常に動作しない場面が見受けられています。この問題を解決するために、大きなコスト負担となるリスピンが必要となり、最終製品までのコスト増加と市場投入のタイミングへの影響が発生しています。
このような問題発生の要因としては、
などが考えらます。そして、ファブレス化が進む電子機器製造業界においては、ファウンドリとの間で設計上の問題なのか、あるいはチップ製造上の問題なのかを切り分ける手法が必要となっています。しかし、チップとなった段階では、このどちらの要素に起因した問題であるかの切り分けは困難となっています。これを解決するためのバリデーション環境がClearBlueです。
ClearBlueの利用には、ダフカ社が提供するデバッグ用IP(注2)であるReDI (Reconfigurable Distributed Infrastructure)をチップに埋め込みます。ClearBlueには、大きく2つのソリューションがあります。その一つが、ClearBlue Instrumentation Studioで、ファウンドリでの製造前にReDIをRTL(注3)段階で組み込み、プリ・シリコンレベルでのデバッグを行うソリューションです。二つ目が、ClearBlue Silicon Validation Studioで、ファウンドリ後に実チップでのデバッグを行うソリューションです。
後者の場合には、評価基板あるいは最終製品となる基板に実チップを実装し、基板上のJTAG(注4)ポートを介して接続したPC上のデバッグアプリケーションから制御します。この環境で、ロジックアナライザ的なチップ内の任意信号のプロービング、入力信号の生成、アサーションチェック、イベント解析、パフォーマンスのモニタリング、ReDIを利用した回路の再構成などが可能となります。
このソリューションにより、
など、生産性の向上による総合的なコスト削減をもたらします。
サイバネットはこの契約により、PCB分野に留まっていた顧客層をLSI分野にまで拡大でき、EDA業界におけるソリューションの幅が拡がります。
補足
ダフカ社について
ダフカ社(http://www.dafca.com/)は、2002年創業のLSI向けEDAソリューションプロバイダで、上記ソリューションの提供に加え、コンサルテーションも実施しています。欧米では大手半導体メーカや大手電子機器メーカなど、多くの採用実績があります。
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(註)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスの提供を行っております。電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。構造解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、高周波回路解析など多様かつ世界的レベルのCAEソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。また、ビジネスプロセスの最適化を実現する各種ソフトウェアの提供やマルチメディアWeb会議システムの実施、個人・企業情報の保護を図るPCセキュリティ管理など、企業活動の高度化に寄与するITソリューションの提供をしております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記サイトをご覧ください。
註 CAE : Computer Aided Engineeringの略。 コンピュータによる工学的数値解析・シミュレーション
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