2004年09月21日 |
〜有機エレクトロニクス・分子デバイス設計ソリューション〜 |
サイバネットシステム株式会社(東証第一部上場 本社:東京、資本金:9億9500万円、代表取締役社長:井上 惠久、以下「サイバネットシステム」)は、デンマーク王国Atomistix社(デンマーク王国 コペンハーゲン、社長兼最高経営責任者:トーマス・マグナソン、以下「アトミスティックス社」)が開発・販売・サポートする分子スケールエレクトロニクス 向けナノシミュレーションプログラム“The Atomistix Virtual NanoLab ®”(アトミスティックス・バーチャル・ナノラボ)の国内販売を2004年9月21日(火)より開始することをお知らせいたします。
20世紀の中心的な産業であった半導体は微細加工による集積化に邁進してきましが、最近各方面の研究者から微細加工の物理的な限界が指摘され始めていま す。このような高集積化の限界を打破するものと期待されている研究の一つに「分子エレクトロニクス」があります。1974年にアビラムとラトナーによって 提唱された単一分子デバイスによる「分子整流器」が分子・ナノエレクトロデバイス研究の契機となり、現在では各国で「分子エレクトロニクス」に関する実 験・研究が進んでいます。
アトミスティックス社のThe Atomistix Virtual NanoLab®は第一原理計算と呼ばれる手法で近似を最小に抑えた量子理論に基づくナノシミュレーションプログラムです。このアプローチは、実験データ を変数として与えることが無いため、理論上非常に正確な計算を行ないます。一方で膨大な計算量をこなす必要があるため、効率的なアルゴリズムと豊富なコン ピュータ資源を必要とする、チャレンジングで高度なコンピュータ集約技術とも言えます。
またThe Atomistix Virtual NanoLab® の最もユニークな点は、単一原子周辺の電子状態や軌道のみならずナノ構造の電子輸送も計算し可視化できることです。つまり、例えば、電極 と有機分子の接合界面の電子状態と電子輸送を計算することにより電極部分を含めた大規模な系の電流電圧特性を理論計算で算出できるのです。この背景には、 電子輸送理論と呼ばれる理論があり、現在も活発に研究されています。 The Atomistix Virtual NanoLab® は、この高度な利用技術・ノウハウを要求する科学技術計算をPC環境で、理論計算の専門家以外にも利用できるようユーザーフレンドリーな 商用化製品としてリリースされました。製品は、モデル入力用のGUIモジュール “Ibuild(アイビルド)”、計算モジュール“Isolve(アイソルブ)(旧称 TranSIESTA-C(トランシエスタ-シー))”と可視化モジュール “Iview(アイビュー) ”の3モジュールで構成され提供されています。
The Atomistix Virtual NanoLabR について更にお知りになりたい方は、サイバネットシステムの下記ホームページをご参照ください。
http://cybernet.co.jp/nanotech/atomistix/
アトミスティックス社のユーザーグループは先端の公的研究機関、企業の研究所などにより形成されています。そのひとつにNorthwestern University(ノースウエスタン大学)のマーク・ラトナー教授の研究室を挙げることができます。マーク・ラトナー教授は分子エレクトロニクスの提唱者であり、理論化学者の中でも最も論文引用件数の多い研究者の一人です。
“コヒーレントな分子接合における輸送計算は、分子エレクトロニクスの重要な研究テーマになっている。The Atomistix Virtual NanoLab®はこのような計算プログラムの中で最も利用しやすく、また機能の拡張性も高く、ユーザーフレンドリーであると言える。 -マーク・ラトナー ”
ナノテクノロジーのエレクトロニクス関連分野の研究の多くは、ナノシミュレーションを使用した計算よりも実験が主流です。しかしながら、大規模な系での理 論研究や実験が進みつつある現在では、実験に拘わる科学者およびエンジニアは効率的なナノシミュレーションツール無しにナノスケールの設計および開発を充 分に行うことができません。
ジョージア大学の H.F.Schaeffer(H.F.シャエファー)教授の報告によれば, ナノシミュレーション業界はナノテクノロジー全般の成長率よりも急速に発展することが期待されています。2000年では全ての研究開発費の15%程度で あったシミュレーションのコストが2035年までにその総額の50%まで増加するとの見解もあります。
アトミスティックス社の提供するThe Atomistix Virtual NanoLab®のコアモジュール、“Isolve = 旧称TranSIEATA-C”は、既に200を超える研究グループでの利用実績があり、またアトミスティック社では先端科学者や企業と、特に電気・半導 体分野で様々な共同研究を行なっています。
対応プラットフォーム
一般価格 年間レンタル料金 ¥3,000,000 より(消費税別)
(アカデミック価格も用意しております。価格に関する詳細は別途お問い合わせ下さい。)
【初年度販売目標】50本
サイバネットシステムではアトミスティックス社副社長カート・ストックブロ博士が10月下旬に来日するのに合わせ、特別紹介セミナーを開催する予定です。 セミナー開催日等の詳細につきましては、下記の当社ホームページ/アトミスティックス社 サイトにてお知らせいたします。
http://www.cybernet.co.jp/nanotech/atomistix/
アトミスティックス社について
アトミスティックス社は2003年11月に量子物理学とナノテクノロジーの世界的な研究機関であるデンマーク王国 ニールス・ボーア研究所(Niels Bohr Institute:http://www.nbi.dk/ )との産学連携により、同研究所内に設立されました。アトミスティックス社の使命は、ユニークかつ正確で信頼できる最先端の“ナノシミュレーション プログラム”を提供することです。アトミスティック社の提唱する“ナノシミュレーション” とはナノスケールの系における電子状態と電子輸送の計算とシミュレーションをすることで、新しいナノスケールのデバイスの設計や擬似実験を可能にする技術 です。
The Atomistix Virtual NanoLab®
の原型は、コペンハーゲン大学ナノ・サイエンスセンター、デンマーク工科大学マイクロエレクトロニクスセンター やカナダ・マクギール大学ラザフォード研究所など先進科学研究機関における10年間にわたる国際的な研究の成果で生まれた“TranSIESTA”と呼ば れるプログラムです。(Physical Review Letters・JACS 他学術掲載多数)アトミスティックス社では この“TranSIESTA”を製品改良・拡張・メンテナンスを行ないユーザーフレンドリーな統合プログラム“The Atomistix Virtual NanoLab®
”として提供しています。また個別企業とコンサルティングサービスや共同研究も活発に行なっています。
社長及び主要開発メンバーについて
http://www.atomistix.com/
サイバネットシステム株式会社について
当社は、科学技術計算分野、特にCAE関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスの提供を行なっております。電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。構造解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、高周波回路解析など多様かつ世界的レベルのCAEソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
サイバネットシステムでは、新規アプリケーション開拓の一つとして、ナノテクノロジー分野に対してもCAEソフトウェアの投入、技術サポートの拡大を目指していきます。
サイバネットシステムに関する詳細はこちらのURL をご覧ください。
www.cybernet.co.jp
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