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有機デバイスシミュレータ「setfos」
有機太陽電池解析モジュール リリースのお知らせ

2009年8月10日

〜次世代の太陽電池、「有機太陽電池」の光学・電気特性の解析に最適!
試作レス、開発時間の短縮につながります。 〜

 サイバネットシステム株式会社(東証第一部、本社:東京都、資本金:9億9,500万円、代表取締役社長:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、スイスFLUXiM AG社(本社:ウィンタートゥール、以下「フラクシム社」)が開発・販売・サポートする有機デバイスシミュレータ「setfos(セトフォス)」に、このたび有機太陽電池に特化した解析モジュールが新たに加わり、8月10日より国内の販売を開始しましたので、お知らせいたします。

 現在、環境にやさしいエネルギー源として太陽電池が注目を集めています。世界市場規模も、2012年度には4兆6,751億円との予測が報告されています(※1)。
 太陽電池にも様々な種類が存在し、発電効率に優れている「シリコン系」、高い変換効率が見込まれている「化合物系」など用途や目的により使い分けられています。しかし、「コストが高い、危険物を取り扱う場合がある、汎用性が限られる」などの課題もあります。現在はそれら課題の解決を進めるとともに、新しい種類の太陽電池の開発も進められています。
 その中の一つである「有機太陽電池」は、「低価格、製造・製法がシンプル、用途に合わせて着色・形状変更が可能」などの特長を持ち、この開発のサポートを行うのに最適なソフトウェアが「setfos」です。

主な次世代太陽電池の種類と特徴

主な次世代太陽電池の種類と特徴
現在は結晶シリコンが主流だが、有機太陽電池にも注目が集まっている

setfosとは?

概要図
有機薄膜太陽電池の概要図
印刷機での大量生産が可能になる。
 setfosは、有機デバイスシミュレータとして電気と光の特性を包括的に解析することができるソフトウェアです。
 setfosは、有機EL・有機太陽電池の発光・光吸収など光学特性や、I-V特性などの電気特性に関する研究・開発の支援ツールとして利用されています。また、デバイス特性や実験データの比較検証を手助けする解析機能が充実しており、製品開発の期間短縮に貢献しています。
 今回リリースされるモジュールは、以下の3種類になります。

  • Emission:発光モデルの解析
    光電子薄膜の反射率・輝度・色度・電磁場強度分布・光取り出し効率などの光学特性を算出
  • Drift-diffusion:電気モデルの解析
    有機半導体デバイスの電荷分布やI-V特性、発光層内部の発光分布、過渡および安定状態の電位などをプロット
  • Absorption:光の浸透・吸収の解析
    光を吸収して電気に変換する太陽電池の解析に利用

有機太陽電池解析モジュールの特長

 Drift-diffusion(電気モデルの解析)、Absorption(光の浸透・吸収の解析)モジュールを使用することで、有機太陽電池に太陽光が入射した際に電池内部で起こる以下の現象をシミュレーションすることができます。

光の浸透・吸収のシミュレーション

図1・電池内部の電界強度分布
図1・有機太陽電池内部の電界強度分布
  • 光の浸透・吸収
    電池内部の各層における光の浸透度合い(電界強度分布)を解析できます。(図1)
  • 励起子の発生
    電池内部における各層での励起子(※2)の発生確率を解析できます。励起子の発生は、光学特性に大きく影響を与えるものとして知られています。

デバイス内部の電気シミュレーション

図2・電子と正孔の密度分布
図2・電子と正孔の密度分布
  • 自由電子の解離
    電池デバイス内部における電子と正孔(※3)の密度分布を解析することができます。(図2)
  • 荷電粒子の電極への移動
    自由電荷が解離されプラス電極に向かう際の、自由電子の移動量などを入力し、計算結果として、最終的にI-V特性を算出することができます。

 現状では、有機薄膜太陽電池のデバイスとして用いられる材料物性の定義や理論が確立されていません。
 しかし、この解析モジュールを用いることにより、一般的によく知られている有機化学・電気化学などの理論をベースに、有機デバイスの材料特性を解析することができます。ユーザ設定の自由度の高さ・容易さからも、有機薄膜太陽電池の研究・開発支援ツールとして、開発期間の短縮や試作コストの削減に貢献します。

展示会出展予定

Organic PV Solar Summit Japan「有機系太陽電池の商業化の早期実現に向けて」

日程:2009年9月2日(木)〜3日(金)
会場:シェラトン都ホテル東京
詳細:http://www.opvtoday.com/japan09/jp/cybernet/

setfosの展示・新モジュールのデモを行う予定です。

価格

 ライセンス料金:税込み126万円〜(税抜き120万円〜)
 価格にはソフトウェア取り扱いにおけるサポートおよび、年度内のバージョンアップ費用が含まれます。

 ※料金は年間当たりの価格です。
 ※既存ソフトウェアのユーザーには、追加モジュールでのご提供も可能です。

 詳細につきましては、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

販売目標

 有機太陽電池の開発・研究企業を対象に、初年度は10社への導入を目標としています。
 また、既存ユーザーの使用に関する要望などについても、開発元フラクシム社と連携のうえ、本モジュールの機能向上に取り組んでまいります。

 setfosの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
 http://www.cybernet.co.jp/setfos/

注釈

※1:株式会社富士経済「2008年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」より。
※2:励起子:
励起とは、量子力学上の中で系の固有状態のうち基底状態(最低エネルギーの状態)以外の状態のことで、励起子とは、半導体または絶縁体中で励起状態の電子・正孔の対がクーロン力によってペアを組み、一つの粒子として取り扱うことのできる状態を指す。
※3:正孔:
半導体または絶縁体において、価電子帯の電子が不足した状態を表す。たとえば光や熱などで価電子が伝導帯側に遷移すると、価電子帯の電子が不足した状態ができる。この電子の不足によってできた孔が正孔。

フラクシム社について

 フラクシム社は、スイスのチューリッヒ応用科学大学(Zurich University of Applied Sciences)のコンピュータ物理センターから独立する形で、創業されました。デバイスシミュレーションソフトウェアプロバイダとして、主にsetfosとetfos(有機LEDの研究開発支援ツール)の開発とマーケティング、コンサルティングやトレーニングなどを行っています。詳細は下記Webサイトをご覧ください。
 http://www.fluxim.com/

サイバネットについて

 サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(註)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスの提供を行っております。
 電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。構造解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、高周波回路解析、電子回路設計など多様かつ世界的レベルのCAEソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
 また、ビジネスプロセスの最適化を実現する各種ソフトウェアの提供やマルチメディアWeb会議システムの実施、個人・企業情報の保護を図るPCセキュリティ管理など、企業活動の高度化に寄与するITソリューションの提供をしております。
 サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
 http://www.cybernet.co.jp/

註 CAE : Computer Aided Engineeringの略。 コンピュータによる工学的数値解析・シミュレーション

本件に関するお問い合わせ

サイバネットシステム株式会社

内容についてのお問い合わせ

応用システム事業部 マーケティング室/若杉
TEL:03-5297-3429
FAX:03-5297-3646
E-MAIL:optsales@cybernet.co.jp

報道の方は

広報・IR室/野口、田端
〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町3
TEL:03-5297-3066
FAX:03-5297-3609
E-MAIL:irquery@cybernet.co.jp

以上