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高周波回路設計システムMicrowave Officeの最新版、Ver.3.0を発表 レイアウト設計機能等の追加により、設計環境の大幅な拡充を実現

1999年07月01日

サイバネットシステム株式会社(本社:東京、資本金:4億円、社長:蕗田 佶)は、このほど米国アプライド・ウエーブ・リサーチ社(本社:カリフォルニア 州エルセグンド、社長:ジョセフ・ピカレック)が開発、販売している高周波回路設計システムMicrowaveOfficeの新バージョン3.0の概要を 明らかにした

新バージョンの最大の特徴は、高周波回路シミュレーションや電磁場解析を補完するレイアウト設計機能が追加されたことである。これによりMMIC、RFICやRFプリント基板でのレイアウト設計作業効率が大幅に向上するものと期待されている。

製品開発の陣頭指揮をとるジョセフ・ピカレック社長は、“従来の高周波回路設計ツールが持つレイアウト設計機能とは異なり、 MicrowaveOfficeの最新版ではオブジェクトオリエンテッドなデータベースを構築し、それをレイアウト機能が利用する方式を取っているため、 複雑なレイアウトを短時間に設計でき、開発期間の短縮とコストの削減を可能とした。” と述べている。

なお、サイバネットシステムでは、新バージョンの価格を7月末までに決定し、9月より出荷を開始したいとしている。

MicrowaveOfficeの特徴

MicrowaveOfficeと他社製品との違いは?

MicrowaveOfficeはオブジェクトオリエンテッドなデータベースを利用し、かつMicrosoft Windowsのネイティブモードでの開発を意識した、唯一のRF&Microwave 回路設計用ソフトウェアである。Microsoft社開発によるコンポ‐ネントオブジェクトモデル(COM)技術を利用することにより、ソフトウェアコンポ‐ネント相互間のデータ交換が容易になり、各コンポ-ネンをシームレスに利用できるようになった。最新バージョンに新しく組み込まれたレイアウト機能は、このCOM技術を最大限利用し、高度な統合環境を提供している。RF & Microwave 回路でのレイアウト設計作業は、一般なデジタル/アナログ基板でのものとは、大きな違いがある。つまり、デジタル/アナログ基板レイアウト設計作業は、それ自体単独での作業となる。しかも、これらの作業は、別の担当部署で行われ、回路設計者とは異なるCADツールを利用しているのが一般的である。RF & Microwave 設計では、回路シミュレーションによる解析ツールと、このレイアウトツールとは密に統合化されている必要がある。MicrowaveOfficeでのアプローチは更に一歩進んでおり、従来のレイアウトツールとシミュレータがネットリストによってリンクされていたのと異なっている。すなわち MicrowaveOfficeでは、シミュレータ、回路図入力、レイアウトが相互に1つのオブジェクトオリエンテッドなデータベースをアクセスするよう設計されており、煩雑なバックアノテーションあるいはフォワードアノテーションの形態で、設計回路の同期をとる必要がない。

レイアウト図からのリアルタイムチューニング

MicrowaveOfficeの初期バージョンのリリース以来、リアルタイムチューニングは、すばらしい機能として高く評価されてきた。今回のレイアウト機能の登場により、このリアルタイムチューニング機能は、文字どおり、マイクロストリップ線路などの線路幅を広くしたり、線路長を長くする操作をするだけで、シミュレーションがその都度、リアルタイムに実行される。もちろん、回路図データ、シミュレーションデータ、レイアウトデータは前述の共通データベースへのアクセスにより、常に整合性が完全に確保される。MicrowaveOfficeのレイアウト機能のシームレスな統合化により、前例のない真の "リアルタイムチューニング"機能を高周波回路設計環境として提供できる。

3次元ビューアによるレイアウトの確認

設計後のレイアウトデザインを確認できれば、エラーフリーの高周波回路設計を達成できるのは明らかである。従来高周波回路設計者は、最終的なデザインをイメージしながら作業することを強いられてきた。 MicrowaveOfficeでは、2次元でのレイアウト設計機能に加えて、3次元ビューアを備えているためレイアウトを任意の角度から、適正な接続であるかどうかやクリアランスを確認できる。この環境の実現のために、機械系CADで広く利用されているOPEN GL技術を組み組込んである。チューニングあるいは最適化作業においても、この3次元ビューアの内容はリアルタイムに更新される。
マイクロストリップ線路素子として存在するT接続、クロス、ステップ、ベンドなどを利用した回路設計とシミュレーションにおいては、パラメータを指定していたが、この操作はユーザにとって苦痛であり、過ちを冒す原因であった。MicrowaveOfficeでは、ダイナミックセルと呼ばれる線路モデルが用意されており、形状をあらわすパラメータを持っていない。単純にダイナミックセルに線路を接続するとその形状が決まるモデルである。これにより、不注意な誤りを回避でき、エラーフリーな設計環境を実現できる。たとえば、マイクロストリップ線路にあるT接続素子では、これに接続された線路の幅に応じて、自動的に形状が変更される。リアルタイムチューニングあるいは最適化の際でも、即座に形状が更新される。

ファウンダリライブラリのサポート

AWR社は、MMIC製造会社との共同開発により、これら企業に認可/テストされたセルライブラリを提供する。TRW社のHBTと0.15ミクロンP- HEMTプロセス、ならびにTriquint社のHPAプロセスに対応したセルライブラリの提供が可能である。その他のライブラリについても、順次開発中。また、MicrowaveOfficeでは独自のセルライブラリを作成できるよう、すべてのツールが標準機能として盛り込まれている。

HP/EEsof Series IVからのデザインの移行

HP EEsof Series IVからMicrowaveOfficeへの回路デザインの移行を容易にするトランスレ-タを利用できる。SIV2MWOは、高機能なトランスレ-タであり、HP EEsof Series IVでの高周波回路設計デザイン全体をMicrowaveOfficeの設計環境へ移行できる。
このユーティリティの利用により、Series IVならびにEEsof Libra ユーザは既存システムからMicrowaveOfficeへアップグレードパスとすることが可能となった。

日本での販売代理店であるサイバネットシステム株式会社では、MicrowaveOfficeの新バージョンの機能紹介を目的としたセミナーを7月末に開 催予定である。このセミナーで初めてレイアウト機能が国内で一般に公開される。セミナー参加に関する詳細は、下記連絡先へお尋ね下さい。

Microwave Officeの動作環境

PC

i486以上のDOS/V機

OS

Windows95、98、NT

メモリ

32MB以上(64MB推奨)

HD

20MB以上

Applied Wave Research社について

1994年、Joseph Pekarekによって設立され、一貫して通信系システムの総合的なEDA設計システムの提供を目指し、システムシミュレーションソフトウエア、アナログシンセシスツール、高速線形/非線形シミュレータの開発を行なっている。

本年6月に米国アナハイムで開催されたIEEE MTT-S International Microwave Symposiumでは、Microwave Office3.0が公開された。

社長のJ.Pekarekは、米国UCLAで長年電磁場に関する研究に従事し、博士号を取得、Hughes Aircraft社時代には、レーダシステムに組み込む先進的なMMIC設計のプロジェクトリーダを努めるなど、特に高周波回路設計とオブジェクトオリエンテッドプログラミングで豊富な経験を有している。EMSight?の核となる解析アルゴリズムは、同氏の考案によるものである。

一方、同社の技術面の責任者,Stephen A, Maasは、米国ペンシルバニア大学で、Electrical Engineeringを専攻後、UCLAで博士号を取得。後Hughes Aircraft社、TRW社、Aerospace社で低ノイズ/モノリシック高周波回路/システムの研究、設計、開発に従事。現在は、Applied Wave Research社で主に非線形回路シミュレーション部分を担当すると同時に、UCLAで教壇に立つこともしばしばである。

また、同氏はMicrowave Mixers(Artech House, 1986 and 1992)とNonlinear Microwave Circuits( Artech House, 1988; IEEE Press, 1996)の著者としても知られ、1990年から1992年まで、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniquesの編集に携わるとともに、同時期IEEE MTT SocietyのAdcomメンバーならびに編集長として活躍。1989年には、「ダイオードミキサーの歪み」研究に関する功績が評価され、 Microwave Prizeを受賞している。現在は、IEEEの特別会員となっている。

この件に関するお問い合わせ

サイバネットシステム株式会社

応用ソフトウェア事業部
EDA部 北島 徹雄
Tel : 03-5978-5412
Fax : 03-5978-5440
E-mail: infoawr@cybernet.co.jp
http://www.cybernet.co.jp/eda/awr/

以上